“小国”に住むことが、選択肢の一つになるために・・・
「あなたは将来どこに住みたいですか?」
平成28年度の小国地域成人式に出席された新成人54名の皆さんにアンケートをお願いしたところ、およそ2割の方が“小国に住みたい”と答えてくれました。
一方“小国以外”を選んだ方は、その理由として「もう少し都会の方が便利そう」「就職先がなさそう」などを挙げていました。
また、私たち小国サテライトが毎年活動を支援している“おぐにカンパニー”(
→詳しくは、小国中学校「地域貢献活動」の記事を参照)企画部の皆さんのアンケートでも、「小国が大好き」と書かれている一方で、「不便」「仕事がなさそう」という理由から、将来は別の所に住みたいという意見が見られます。
ですが、まちづくりの活動の中で、地域の人たちにお話しを伺ってみると、「バスの本数はちょっと少ないけど、なんの不便もないよ」とおっしゃる方もいるんです。
小国って本当に「不便」で「仕事がない」のでしょうか。ひょっとして“小国に住みながら働く”ことの具体的なイメージが湧かないだけなのでは。漠然としたイメージに流されて、大好きな小国地域を去ってしまうとしたら、それは本人にとっても地域にとっても、残念なこと。
そこで小国サテライトでは、将来のことを真剣に考え始める時期にあたる新成人の皆さんに向けて、“小国暮らしの実際”をイメージできるようなリーフレット「先輩おぐにっ子から一言!」を発行することにしました。
実際に小国に住んで働いているちょっと年上の先輩の話なら、自分に重ね合わせて将来をイメージできるのではないか。そんな思いを胸に、まずは小国に住んで働いている先輩おぐにっ子探しを始めました。とはいえ、小国育ちではないサテライト支援員の持つ人脈には限りがあり、すぐに行き詰ってしまいました。こんな時に頼りになるのは、おぐにコミュニティーセンターだんだんのみなさん。ちょっと相談しに行ったら、「こんなに小国に若い人たちがいたのね」と思うぐらいたくさんの人を紹介していただきました。「個人情報だから・・」なんて難しいことを言わない小国の人たち、やっぱり魅力的です。
ここから先はアタックあるのみ。若い人たちが自ら選んで小国に住んでもらいたい、きっと小国に住んでいる大人たちのほとんどがそう思っている、自分たちの思いを伝えればきっと協力してくれる・・・。
現在、「先輩おぐにっ子」のご自宅や職場に伺い、インタビューをさせていただいているところです。これをまとめて5月3日(水・祝)の成人式の日にはリーフレットの形にして、新成人の皆さんにお渡しする予定です。
小国には、電車の駅も、大きな病院も、おしゃれなお店もありません。それでも小国に住む人たちの暮らしを支える仕事はあるし、柏崎、小千谷、長岡にだってちょっと時間はかかるけど通えない距離ではありません。人も自然もゆったりとして優しい小国地域。「先輩おぐにっ子から一言!」が、将来ここで暮らす自分をイメージする際の一助になれば。

廣橋潤 支援員