やまのいとなみ|2019/02/27
今、「やまこし」の移動販売が面白い!
豪雪地の里山ならではの食資源。
その地形と風土を巧みに利用して生み出され、引き継がれてきた「やまこしの食文化」。
やまこしでは、中越大震災で全村民離村を余儀なくされ、合併した長岡市の避難所生活を経て、3年間にわたって仮設住宅に暮らしました。
やまこし独自の食材を前面に出して直販所を始めたのは、山に戻ってからのことです。
住民は、仮説住宅での暮らしのなか、これまでごく当たり前に食卓に並んでいた里山の「山菜」「野菜」「保存食」の価値に気が付きました。
出会った人たちが、訪れる人たちが、その価値に気付かせてくれたと言うべきかもしれません。
今では、これらの地域資源・食資源を活かし、移動販売車を活用した特産メニューやお弁当の製造・販売も手掛けています。里山の生業(なりわい)を紹介する郷土料理教室の食イベントも実施され、農家レストランもできました。
さらには、越後川口にある道の駅あぐりの里と連携した農産物集荷・販売にも取り組んでいます。
取り組みそのものはとても地道なのですが、ここには人口減少社会を意識したチャレンジがあります。やまこしの地域内での地産地消を意識しながらも、身の丈に合った収益構造の確立と、その収益を公益性の高い事業に振り向け、新しいコミュニティビジネスを生み出そうとする狙いがあります。
中越大震災をきっかけに、多くの知恵と支援を受け入れてきたやまこし。
住民が培ってきた伝統文化に新しい知恵が加わり、アップデートされ続けてきたものが、今、地域に根付き始めています。

この記事を書いた人
竹内春華 支援員