やまのまなび|2022/11/18

ハロー!さんビズ生⑮~六期生・本間志朗さん

極上のはちみつは世界を巡り人をつなぐ

 

 

<自然豊かな十日町から東京へ>

生まれは、十日町の水沢地区。信濃川のすぐそばです。ルーツは佐渡のお寺で、じいちゃんが教師になりたいって出て来て、最初の赴任先が松之山で。それで、父親だけ十日町にそのまま根付くことになって。十日町には、高校卒業する18歳まで住んでました。

 

水沢は、そうですね、何にもなかったですね。子どものときは、近所の子と虫捕まえたり、悪いことばっかりしてましたね。アウトドア派になりますよね。外で追っかけ回したり、田んぼで稲刈りしたあとゴルフするみたいな。

高校のとき、長岡行くっていったら大変でした。ちょっと旅行でしたけどね。ちょっと色気づいてきて、長岡買い物行こうぜ、って。友達と相談して、かなり準備して、みたいな感じですかね。

 

十日町を離れるきっかけは、進学ですね。新潟の専門学校に行って、サッカーしてました。サッカー関係の仕事に就ければいいかなと思ったんですけど。プレイヤーとしても挑戦してて、そこで現実を知り。もうスポーツはこりごりだ、みたいになって、20歳で東京に行きました。

 

兄が東京にいて。特に目的はないです。専門学校で美容関係の人と付き合いがあって、東京に行って、刺激が強いところでやれたらいいなって思ってたんです。相手にもされず、もう遅すぎるって、門前払い。何軒か行って、すぐ心が折れて。でも、週2回でバイトさせてもらえるところがあって。通信会社で平日働いて、週末美容室みたいなことをしばらくしました。その通信会社の社長の兄弟がやってるからって。職人的な世界で、厳しかったですね。1年くらいで、体続かないんで、って逃げましたね。通信会社は3年くらい働いたかな。

 

 

<きっかけは親の病気と子どもの誕生>

お金を貯めて自分で何かをしたいなって感じで、運送会社に入って。東京のど真ん中、全国で一番発送量が多いところに入っちゃって、30代後半まで働いてましたね。親の病気で転勤させてもらって、こっちに戻ってきました。地元に帰ってきてから結婚をして、親の通院とか今までと違う生活をしていく中で、健康とか色々考えるようになって。この働き方も体に悪いなって、ちょっと疑問を感じながらやってた頃に、子どもができました。で、育休を取らせてもらって、8ヶ月がっつり取って。男性で取ったのは、職場では多分初めてで。

 

 

育休中は、結構自分の好きなことをさせてもらって。ずっと腰を痛めてを繰り返してたんです。マッサージ行ったり病院行ったりしても一向に治らないんで、せっかく長い休みだから、入院したんですよ。あと、せっかくだから免許取りに行きましたね。大型2種とか、大型特殊とか、牽引とかを合宿で。もし職を失っても、除雪とか何かできるように。そんなことをしてたら、どうやって生活してるんだろうみたいな変な人に色々会って、人生が変わってった感じはありますね。

 

そういう人って、普通にサラリーマンやってると出会わなかったですね。一回離れるっていうのは、すごい大事でしたね。普通、辞めても次仕事しなきゃとか焦って、そういう情報しか求めにいかないじゃないですか。でも、給料が一応入りながら、その環境で色々見れたのは、心の余裕もあってよかったのかなって。松之山で山塩を作ってるメンバーとも、そのときに知り合ったり。起業支援のイベントで、同じチームになって、そこからスタートして。

 

 

 

<さんビズを通じて思いを形に>

その山塩が形になって、こういう企画に出るとすごく面白い人とつながれるとか、仲間づくりができるとか思って、アンテナが立ってたところにさんビズが来て。さんビズは最初何で知ったんだろうな、チラシを見たのか。冊子かもしれない。知ってる人が出てたんです。それで、SNSでイベントが出て来て、申し込んだと思うんですけど。その一冊が大事な一冊。

 

それで、さんビズを受けることに。そうですね、そんなに迷わなかったですね。いいタイミングで入れて、受講中も同期のみんながお互いに協力、参加してくれたりして楽しかったですね。初めてのイベントを自分で企画してやってみて。パン焼きたいって人がいたんで、一緒に。ピザ作ってきてくれて、自分ははちみつを出して、みたいな感じでやったんですけど。

 

 

 

今は「はちみつを売らない養蜂家」ですけど、受講中はコンセプトがぼやっとしてましたね。蜂を広めたい、でも何も決まってないような感じで。ペットみたいにみんなが飼えるように流行らせたい、みたいに言ってましたけど。ニホンミツバチにしたのは、最初からニホンミツバチだなぁとは思ってたんです。自生してるやつじゃないと増やせないなあっていうのがあって。蜂蜜を採るってなるとセイヨウミツバチの方がいっぱい取れるんですけど、増やすってなると自然のものじゃないと増えないなって。セイヨウミツバチって体弱いんで、冬越しが難しかったり、病気とか、薬やったり砂糖水やったり、ちょっと人工的というかね、自分のやりたいこととは違うかなと思って。

 

 

 

<ミツバチとの出会いは突然に>

ミツバチとの出会いは、育休中に知り合った人と「ミツバチとかいいですよね、ミツバチ今やばいんですね」みたいな話をして。その人が勧めたとかじゃなくて、雑談ですね。そのときは、親の病気で、ガンって生活習慣病なんだって知らなかったんで、そこまでの生活、ストレスとか食べて来たものとか、そういうものでなっていくんだな、自分の健康とか子どもの健康とか考えたら、いいもの食べたいし食べさせたいなと。あとは生き方のね、こういうストレスのある生活から、別の生き方をしたいなっていうことで、オーガニックの野菜を作れないかなって。嫁のお父さんがやってるんですよね、無農薬無化学肥料。完璧ではないですけど。でも、儲からない。収穫量が少なかったり、一品目大量生産の方が効率はいいですけどね。そんな話をしてたら、ミツバチとかいいっすよね、受粉するし、って。ハチに興味があったわけじゃないんです。

 

それから、どうやったら飼えるのかな、みたいな感じでちょっと調べてみたり。興味は全くなくて、ははは。今、3~4年くらいかな。今年の春に自分で捕まえたのと譲ってもらったので、今年は10群まで増やしたんです。女王が1匹に対して2万くらいの働きバチで1群っていうんですけど、働きバチは減ったり増えたりするんで、何匹っていうのは難しいです。ニホンミツバチって、自生してるのを捕まえるところからスタートなんです。仕掛けを作って、一つの巣から新しい女王が分かれて、産まれると半分出ていく春の分蜂っていうのを捕まえる。桜が咲いたあと、1ヶ月くらいが勝負なんです。まだ自分では増やせてないんですけど、ベースがいればそこから巣別れしたのを捕まえて増やしていける可能性は出てくるんで、増やせればなって。気に入らなければ出て行ったり、動物に襲われたりとかもあるんで。

 

 

蜂は、冬場はずっと中で女王を守るために体を震わせて温め合ってます。雪で入口が埋まらないようにある程度囲いをしますけど、去年は段ボール1枚巻いて越冬させましたね。餌は、蜂蜜を自分たちも食べる。そのためなんで。だから、取りすぎると餓死しちゃうんですよ、冬に。いっぱい取りたいからやっちゃうんですけど、ちょっともらう感覚っていうのを大事にしないと。人間のために作ってくれてるわけでもないんで。その感覚がね、必要かなと思います。お裾分けなんです。ちょっと余裕があるくらい残してやった方が、多分蜂もストレスなく。

 

 

<さんビズが変えたお金との距離感>

さんビズ受け始めた頃と終わった今とで、変化はだいぶありますね。最初、勉強しながらだったんで、自分の知識があんまりなかったから、さんビズしながら発表しなきゃって思ってて勉強したんで、知識は深まったかな。あとは、色んなつながり、新しい取り組みをやってる養蜂家の方とコンタクト取ったり、上映会をやったり。同期の山田寛子さんと保坂桂子さんと映画の上映会をやったんですよ、「ミツバチと地球とわたし」っていう。そういう映画を見て、ミツバチ大事だなぁと改めて感じたり。そうですね、意識はだいぶ変わりましたね。やっぱり、やる意義はあるなあと確信したり。広げていく、知ってもらうにはどうすればいいかなという方向で。

 

利益は出したいなっていうのはあったんですけど、どうやってお金に変えようかなっていう考え方だったんです。でも、お金はあとでもいいかな、お金もつながりで発生してくるから、今のところ積極的に売りに行かなくても、そういうアンテナの人が勝手につながってくれるというか、声かけてくれるんです。それ以上は逆に作れないなっていう感じで。教えてもらった人がまた紹介してくれたり、自然と色んな人につながって、ミツバチ情報が勝手に集まってくるようになりましたね。

 

 

 

<ミツバチは共に暮らすパートナー>

コンセプトを説明するときですか。蜂を広めたいんです、怖くないんで広めたいんです、って言ってますけど。めんどくさい人だなって思われちゃうとあれなんで、いやぁ、ハチ流行らせたいんですよね、ぐらいにしてます。蜂蜜買えますか、って聞かれますけど、ちょっとは売ります、って。売りにしない、メインが蜂蜜じゃないんですよ、ってことで納得してもらおうと思ってます。養蜂っていう言葉も嫌で、変えたいなって。養われてるのは人間の方だから。一緒に暮らしてる、共存してるってことですよね。

 

 

 

ミツバチは、シンプルにかわいいですよ。ずっと見てたいなって思うんですけどね。仕事行きたくねぇなって。巣箱があって、ずっと行ったり来たりしてるんですよ。で、脚に花粉つけてきて。その色も季節で違ったりして、かわいいんですよ。働きバチは、夏場なんて一ヶ月くらいしか生きないんですよ。役割がね、産まれてからずっと決まってて。外に出るのは一番危ないから、最後が蜂蜜集めなんです。あと、そんなに刺さないっていうのも知れば怖くないかな。

 

 

 

<終わったあともつながるさんビズ>

さんビズをやってみて、思い切りがよくなりましたね。一人でやるとなると、すごく怖い。イベントやるにしても、失敗したらどうしようとか、最初の一歩って怖いんですけど、繰り返しみんなで協力してくれるっていうのを経験すると、ハードルがだいぶ下がったのかなっていう気はしますね。ピザのときも、あれを一人でやって誰も来なかったら、二度とやるもんかってなりますもんね。全部初めてで、アンケート作ったりとかしましたね。いや、楽しかったです。

 

第6期受講当時の本間さん

 

 

イベントに行くと絶対いるんすよ、誰かしらが。あっ、ここにさんビズ生がいた!みたいな。みなさんそれだけ継続して活躍してるっていうのがね、すごいことですよね。安心感がありますよね、知ってる人がどこに行ってもいるっていう安心感。

 

あと、サポート体制がすごくよかったなと思います。さんビズはとにかくコスパがいいっていうのがイメージなんです。いつでも相談していいっていうのは、さんビズならではじゃないかなと思いますね。それに、途中で言ってること変わってるじゃん、っていうのをちゃんと伴走してくれる。柔軟ですよね。発表会だからちゃんとしなきゃとか、ちゃんと答えにして終わらせようとかいう意図が何にもないというかね。それがあるから、そのあとも付き合いやすいのかもしれないですよね。

 

 

<ミツバチは世界を巡る>

蜂蜜に対しての想いですか。取りすぎないっていうのと、下手に手を加えないっていうことかな。濃くしようとしたり、無理矢理取りすぎようとしない。蜂に戻してあげると食べるんですよね。またもらえることになるから、欲張らないところでやりたいなぁと。ギューッと搾り取ればお金に換えられますけど、そういうんじゃなくて、色んな人に知ってもらって返ってくればいいかな。俺に返ってこなくてもいいんですけど。つながりが作れるものになっていけばいいかなって思ってます。

 

榎本淳
この記事を書いた人

榎本淳 支援員