やまのまなび|2020/04/09

教わる場ではなく、学び合う場をつくりたい

2020年3月25日(水)、上越市の旅するCafe BASE025をお借りして、さんビズ説明会を開催しました。

 

 

説明会の準備をしてくださったのは、この会に先立って2019年12月に上越市内で開催したさんビズ説明会の参加者のお二人。

このときは、新型コロナウイルスの国内での感染拡大が今ほどの緊急度ではなかったため、会場内での感染症対策をしっかりと取ることで開催を決めました。

 

 

この日は、上越市在住の方10名が説明会にご参加くださいました。

 

説明会は、長岡などでこれまでに開催している通り、冒頭にさんビズの事業概要を榎本からお話しさせていただき、それに続いて質疑応答をしながら参加者のみなさんの疑問を解消していくという流れを予定していました。

 

 

ところが、参加者のみなさんの様子や説明会が始まるまでの間に会話しておられる内容、表情を見ているうちに、これは自己紹介をしておいた方がいいと感じました。

結果的に、その判断で間違いなかったのですが、みなさんがなぜさんビズを今受講しよう、話だけでも聞いてみようと思ったのか。その理由が、自己紹介の中にしっかり詰まっていて、こちらにとっての学びの方が実は大きかったのではないかと思える時間になりました。

 

 

上越市内に住んでいるとは言え、そのルーツは十人十色でした。生まれ育ちは県外や県内の他市町村で、仕事や結婚を機に移り住んだという方が何人もいました。そして、一度は起業してみたもののうまくいかなかった方、今の働き方に強い疑問を抱いている方、これからの新しい生活の中で何かにチャレンジしてみたい方。家庭環境も職種も経歴もまちまちなのに、「自分らしく働きたい、これからも上越で暮らしていきたい」という共通する想いがそこにはありました。

 

 

説明会の準備にご協力くださった方が、さんビズとして取り組みたいことの一つがお菓子作り。参加者としてお越しくださったご友人と二人で、今日のために手作りのスイーツをご用意くださいました。

 

丁寧に作られた美味しいスイーツをいただきながら、質疑応答の時間に移ります。投げかけられる内容は、もはや質問ではなくて活発に意見交換される座談会のようでした。

「なぜ、いまさんビズの受講を考えてみようと思ったのか」
「自分はこれまでどんな働き方をしてきたのか」
「そして、自分と家族はどんな暮らし方を上越で実現したいのか」
そんな想いがみなさんの言葉の端々から溢れ出てくるのが、手に取るように分かりました。

 

「さんビズは、お金を稼ぐことを目的にしているけど、それだけではないんでしょう?」

「榎本さんがやっているのって、講師というよりファシリテーターでありコンサルタントですよね?」

「講座が終わったあとって、どんなコミュニケーション、アフターフォローがありますか?」

「長岡まで通うのが大変なので、オンライン講座や上越会場開催などの可能性はありますか?」

などなど、時間が全く足りず、予定の2時間はあっという間に過ぎました。

現在上越在住であったり、以前上越に住んだ経験のある修了生2名も、わざわざ会場に足を運んで運営に協力してくれました。さんビズ生ってどんな人なのかな?何をやっている人なのかな?という疑問にも、実際に会って話してもらうことでお応えできたのではないかと思います。

 

 

みなさんの自己紹介や質疑応答を伺っていて思うのは、上越には技術や経験を持った人がたくさんおられて、身の周りに手つかずになっている地域資源もたくさんあるということ。

ただ、それ以上に、今回のような質疑応答、想いのキャッチボールができる好奇心旺盛なみなさんが会場に集まり、さんビズってこういうことじゃないかな?とか、自分ならこうやってみようかな?とか、さらにさんビズを自分なりに解釈して高めていこうとするやり取りが生まれたことが、上越の持つ可能性、潜在力なのではないかと感じますし、これから地域づくりが花開くのではないかという期待感でいっぱいになりました。

 

左から、柏崎さんビズ生の佐藤潤さん、榎本、実施協力者の保坂さん、笹川さん

 

 

参加者は、子育て世代の方が多く、お子さん連れでお越しくださった方もありました。お父さんやお母さんが地域とつながって働く様子をお子さんが一緒になって見たり聞いたりできる機会が、さんビズを通して実現できつつあることがとても嬉しいです。

さんビズは、自分らしい起業に向けた連続講座です。しかし、講座では起業のハウツーのようなことはそれほど多くお伝えしません。それよりも、課題をどのようにして見つけるのか。その課題をどのように解決したいのか。自分らしさとは何なのか。どのように社会に貢献したいのか。そんな問いかけに対する自分なりの答えをみつける、言葉にする、行動につなげる。そのための学びを提供するのがさんビズだと考えています。

そんな学びの場が、長岡だけでなく上越にも生まれるとしたら、そのお手伝いができるとしたらとてもワクワクします。さんビズが上越にも広がっていく日を楽しみにしながら、会場をあとにしました。

 

榎本淳
この記事を書いた人

榎本淳 支援員